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特集 薬物療法の「常識」はいまも常識?
スタチンとフィブラートの併用について
Combination of statin and fibrate
平野 勉
1
1昭和大学医学部糖尿病・代謝・内分泌内科
キーワード:
①スタチン
,
②フィブラート
,
③横紋筋融解症
,
④複合型高脂血症
Keyword:
①スタチン
,
②フィブラート
,
③横紋筋融解症
,
④複合型高脂血症
pp.39-41
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100904
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スタチンとフィブラートの併用は本当に禁忌なのでしょうか
心血管疾患(CVD)の原因である動脈硬化症の発症,進展の予防に血清脂質管理は不可欠である.幸いLDL-コレステロール(C)管理はスタチンの登場により容易になってきた.他方高中性脂肪(TG)血症および低HDL-C血症にはPPARα活性化剤であるフィブラートが古くから使用されている.CVDは様々な遺伝性脂質異常症が原因で発症するが,頻度的に最も高いのが家族性複合高脂血症であり,100~200人に1人が罹患する.TGとLDL-Cが共に著明高値であり,スタチン単独,フィブラート単独では完全な脂質管理は困難である.メタボリックシンドローム,2型糖尿病など動脈硬化症のハイリスク疾患ではLDL-Cの上昇は比較的軽微でありむしろ高TG血症,低HDL-C血症が顕著である.このためLDL-Cをスタチンで低下させたとしても高TG血症,低HDL-C血症は残存することになる.このような複合(混合)型高脂血症は日常臨床でしばしば遭遇するが,スタチンとフィブラートの併用は我が国では推奨されていないどころか原則禁忌とされている.はたして本当に禁忌なのであろうか.副作用を回避してうまく使う方法はないものだろうか.
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