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特集 薬物療法の「常識」はいまも常識?
陳旧性心筋梗塞のある糖尿病患者にビグアナイド薬は投与可能か?
Is it possible to prescribe biguanide agent for diabetic patients with old myocardial infarction?
大久保 雅通
1
1内科(糖尿病)久安医院
キーワード:
①ビグアナイド薬
,
②乳酸アシドーシス
,
③陳旧性心筋梗塞
,
④心不全
Keyword:
①ビグアナイド薬
,
②乳酸アシドーシス
,
③陳旧性心筋梗塞
,
④心不全
pp.42-44
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100905
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ビグアナイド薬は心疾患を伴った糖尿病に処方できるのか
ビグアナイド(BG)薬は肥満を伴った2型糖尿病患者において,食事・運動療法だけでは十分な血糖コントロールの改善が得られない場合の第一選択薬と考えられる.1970年代にフェンホルミンによる乳酸アシドーシスが報告されたため,現在使用可能なBG薬(メトホルミンおよびブホルミン)についても,投与禁忌項目が多数挙げられている.本稿では糖尿病患者で頻度の高い心筋梗塞が,BG薬の禁忌であるかどうかについて考察を行うこととする.
BG薬の第一の禁忌は乳酸アシドーシスを起こしやすい状態の患者である.その中にショック,心不全,心筋梗塞,肺塞栓など,心血管系,肺機能に高度の障害のある患者と記載されている.常識的に考えて,急性期の心筋梗塞患者がBG薬の適応となるとは思われない.BG薬を内服中に心筋梗塞を起こした場合も,急性期を脱するまで投与を控えるのが妥当であろう.それでは心筋梗塞に合併し,糖尿病患者で頻度の高い心不全については,現在どのように考えられているのだろうか?
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