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特集 薬物療法の「常識」はいまも常識?
計画妊娠中のACE阻害薬,ARBの使用について
The risk of angiotensin-converting enzyme inhibitors and angiotensin Ⅱ receptor-antagonists during planning pregnancy
柳沢 慶香
1
1東京女子医科大学糖尿病センター
キーワード:
①アンジオテンシン
,
②糖尿病腎症
,
③糖尿病合併妊娠
Keyword:
①アンジオテンシン
,
②糖尿病腎症
,
③糖尿病合併妊娠
pp.12-14
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100895
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ACE阻害薬は催奇形性があることが知られていますが,ARBについてはどうでしょうか
□ACE阻害薬とARBの作用機序
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬とアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)はともにアンジオテンシンⅡの作用を抑制する薬剤であるが,薬理学的には異なった作用機序,作用点を持つ(Box1).ACE阻害薬はACE活性を阻害しアンジオテンシンⅡ産生を抑制することで,ARBはAT1受容体に選択的に結合することによってアンジオテンシンⅡ阻害作用を持つ.また,ACEはブラジキニン分解を抑制すること,ARBはレニン,アンジオテンシンⅡの血中濃度を高め,抗AT1受容体作用を持つAT2受容体を刺激することなどが違いである.
糖尿病腎症は微量アルブミン尿を呈する早期腎症で発症し,持続性蛋白尿が出現する顕性腎症期,そして腎不全期,透析療法期へと至る.腎症の発症,進展阻止には,血糖コントロールおよび糸球体高血圧の是正が有効である.
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