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Case 1
血糖自己測定に導かれてインスリン調節
51歳女性.血糖コントロール改善を求めて来院.父と兄も糖尿病.中学時代は肥満であった.22歳の初回妊娠中に糖尿病を発症,巨大児とそれに近い児の2児を得ている.一時期の経口血糖降下薬以外は主に食事運動の生活療法のみで経過していた.44歳の時空腹時血糖204 mg/dL,HbA1C 13.8%を指摘され,前医に教育入院した.速効型インスリン(以下Rと略す)の3回注射で退院.その後HbA1C 7%台,時に8%台で経過,1年前(50歳)からは常時8%台で経過するようになった.最近は朝R 4昼R 3夕R 4単位を注射しているが,HbA1Cが下がらず2002年5月31日当院を初診した.身長161 cm,体重54 kg.初診時はHbA1C 9.1%になっていた.網膜症は福田分類A 2.腎症,神経障害の初期徴候なし.脳,心,下肢の動脈硬化疾患の徴候もない.
Case 2
あなたなら入院させる?高血糖,尿ケトン陽性で初診した例
61歳女性.インスリン治療が必要か意見を求めて来院.母が糖尿病と喘息,父は脳梗塞.23歳から関節リウマチがあり,この2年間はブレディニン(ミゾリビン・免疫抑制剤)で治療している.53歳時に四肢の運動麻痺(診断不詳)を発症し,現在も歩行が緩徐である.麻痺発症時に糖尿病を発見されたが,食事治療のみで経過していた.59歳時にダオニール内服を開始し,現在5 mg/日内服中.60歳時から高血圧となり降圧剤も開始.初診の7カ月前まではHbA1C 6.4~7.2%と悪いコントロールではなかった.その後急に悪化して9.8~11.3%となり,インスリン治療を勧められた.どうするか迷って2002年3月当院を初診.身長142 cm,体重は1年前まで62 kgあったが,初診時には48 kgまでやせていた.受診時,朝食前血糖318 mg/dL,HbA1C 11.5%,尿ケトン体+3,尿蛋白+1.なお糖尿病網膜症はないと眼科で言われている.
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