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特集 患者満足度を高める糖尿病診療
第1部 外来で患者満足度を高める
こんな患者を診るとき
内臓脂肪の正しい減らし方
How to reduce your visceral fat
石井 純
1
1北海道社会保険病院 内科
キーワード:
虚血性心疾患
,
生活習慣
,
内臓脂肪
Keyword:
虚血性心疾患
,
生活習慣
,
内臓脂肪
pp.218-221
発行日 2005年2月15日
Published Date 2005/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100672
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生活指導で満足度を高める―例えば内臓肥満の解消
肥満糖尿病患者にとって内臓肥満の解消は「一石多鳥」である.冠動脈疾患を持つならなおさらである.
内臓脂肪蓄積がインスリン抵抗性・メタボリックシンドローム・動脈硬化疾患の原因として注目されています.糖尿病患者に占める内臓肥満者の割合は,当院の肥満症例の90%,非肥満症例でも50%以上と高率です.冠動脈疾患を持つ内臓肥満糖尿病患者への指導を考えてみます.
外来指導の実際
□内臓脂肪蓄積が,いかに悪いかを理解してもらう
正常な内臓脂肪は,エネルギーを脂肪として蓄えるだけでなく,色々な活性物質(アディポサイトカイン)を出しています.内臓脂肪が蓄積してくると,糖尿病以外にも,高中性脂肪/低HDL血症・高血圧をひき起こすこと(4つそろうと死の四重奏),このような状態では内臓脂肪は肥大化した「悪い脂肪」へと変化しており動脈硬化を抑える善玉アディポサイトカインが減り,動脈硬化や耐糖能を悪化させる悪玉アディポサイトカインが増えてしまいます.以上を理解してもらえれば,内臓脂肪を減らす減量が,血糖だけでなく血圧・脂質を改善し,さらには動脈硬化予防に非常に有効であることを理解してもらえると思います(Box 1).
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