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〈総合診療ブックス〉一般外来で遺伝の相談を受けたとき
垣添 忠生
1
1国立がんセンター
pp.102
発行日 2005年1月15日
Published Date 2005/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100636
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藤田潤,福井次矢,藤村聡先生の編集で,「一般外来で遺伝の相談を受けたとき」が刊行された.編集にあたった三先生は京都大学で診療,研究の第一線に立つ現職の人々である.当然のことながら,現場からの発想が強く貫徹された書物となっている.医学書院における「総合診療ブックス」の21冊目にあたり,一般医や看護師に向けて,これだけは知ってほしいことを平易に解説する単行本シリーズだそうだが,その意図通りの出来上がりである.記述と適切な図の挿入により,どの章も誠に明快である.ちなみに筆者は曖昧な知識しか持っていなかった「ミトコンドリア遺伝」の章を読んで,この病気の意味を初めてはっきりと理解することができた.
外来診療の現場では,病気に関する多様な相談を受ける.特に,結婚や子供を持つこと,血縁者の病気と自分との関連など,遺伝と関連した相談も多い.時には自身の知識があやふやなため,当たりさわりのない,曖昧な返事でお茶を濁す場合もある.今後は,わずか数時間あるいは数日,集中して本書を読めば,あるいは自分に関連した章を拾い読みするだけでも,自身の知識が非常にクリアに整理される.以後は自信を持って先ほどのような状況を切り抜けることができるようになるだろう.
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