Japanese
English
特集 これでわかる! 糖尿病患者の感染症対策
皮膚・軟部組織感染症の診断と治療―糖尿病合併例への配慮
Cutaneous and soft tissue infection: Diagnosis and therapy/ Attention to patients with diabetes mellitus
谷岡 未樹
1
,
宮地 良樹
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学
キーワード:
①糖尿病
,
②皮膚細菌感染症
,
③皮膚真菌感染症
,
④胼胝
,
⑤鶏眼
,
⑥壊死性筋膜炎
,
⑦ガス壊疽
Keyword:
①糖尿病
,
②皮膚細菌感染症
,
③皮膚真菌感染症
,
④胼胝
,
⑤鶏眼
,
⑥壊死性筋膜炎
,
⑦ガス壊疽
pp.379-383
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100602
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
糖尿病患者の皮膚感染症は難治で重症化しやすい!さらに,自覚症状が乏しい場合がある!
糖尿病患者は免疫能の低下および易感染性が認められるため,外界との防御壁に該当する皮膚においても,軽症から最重症までさまざまな感染症を合併する.糖尿病の3大合併症は皮膚感染症に関しても重要なリスク因子となる.神経障害を伴うと皮膚感染症が起こっても典型的な疼痛などの症状に乏しく,気がつきにくい.また,網膜症があると神経症で病変に気がつきにくいことに加えて視覚的にも異常に気がつきにくい.腎障害を合併していれば,抗生物質の使用にも配慮が必要である.
以上の理由から,非糖尿病患者にとっては軽微な皮膚感染症であっても,糖尿病患者では急速に増悪する可能性が高い.加えて血管病変を合併していれば,創傷治癒起点の遅れ,ひいては壊疽の可能性が高くなるため,足切断といった不幸な転帰をたどる症例に稀ならず遭遇する.
ここでは糖尿病患者によく認められる皮膚感染症の診断と治療について概説する.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.