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特集 これでわかる! 糖尿病患者の感染症対策
尿路感染症の診断と治療―糖尿病合併例への配慮
Urinary tract infection: Diagnosis and treatment/Management of patients with diabetes mellitus
中村 博志
1
1みさと健和病院 内科
キーワード:
①無症候性細菌尿
,
②膀胱炎
,
③気腫性腎盂腎炎
,
④腎周囲膿瘍
,
⑤血糖コントロール
Keyword:
①無症候性細菌尿
,
②膀胱炎
,
③気腫性腎盂腎炎
,
④腎周囲膿瘍
,
⑤血糖コントロール
pp.367-372
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100600
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糖尿病患者の診療では重篤な尿路感染症を見逃さない!
糖尿病患者で尿路感染症が多い理由は 日常診療において,糖尿病患者の易感染性,感染症の重篤化・遷延化をしばしば経験する.感染症のなかでも尿路感染症は最も頻度が高く,ときに重症化するため十分な注意が必要である1).
大規模多施設研究によれば無症候性細菌尿(Tips 1)の頻度は糖尿病患者で健常者のおよそ3~5倍,症候性尿路感染症の頻度は非糖尿病者の2~3倍である.糖尿病患者で尿路感染が多い理由として,神経因性膀胱のために尿が滞留すること,低栄養や脱水の頻度が高いこと,腎の細小血管障害による血流の低下などが知られ,多因子が複雑に関与しているものと考えられている2).
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