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特集 これでわかる! 糖尿病患者の感染症対策
呼吸器感染症の診断と治療―糖尿病合併例への配慮
Respiratory infection: Diagnosis and treatment/Consideration to a diabetes merger patients
田口 善夫
1
1天理よろづ相談所病院 呼吸器内科
キーワード:
①呼吸器感染症
,
②肺炎
,
③結核
,
④誤嚥
Keyword:
①呼吸器感染症
,
②肺炎
,
③結核
,
④誤嚥
pp.373-377
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100601
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肺炎や結核の診断への近道は,やはり病歴である.
肺炎を疑うときはどんなとき
肺炎は肺実質の急性,慢性の感染性炎症を指し,発熱をはじめとする自覚症状,炎症を示す検査所見,胸部X線写真上の新しい浸潤影などにより診断される.しかし日常臨床の現場で肺炎を的確に診断することは容易ではない.肺炎を診断する場合にはまず呼吸器感染症の症状,病歴を理解することが重要で,症状は呼吸器症状と呼吸器外症状に大きく分けられる.呼吸器症状としては,1)咳嗽,2)喀痰(血痰),3)胸痛,4)呼吸困難,が挙げられる.
咳嗽と喀痰は密接な関係であり,喀痰を伴わない場合を乾性咳嗽といい,喀痰を伴う場合を湿性咳嗽と呼ぶ.前者は非定型肺炎のことが多く,後者は細菌性肺炎でしばしば経験される症状である.一般に喀痰を認める肺炎の頻度は70%程度とされており,外観上膿性であれば細菌感染を疑うことになる.
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