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特集 経口薬治療の質を高める10のポイント―経口血糖降下薬の功罪をわきまえる―
SU薬の功罪―インスリン分泌不全の非肥満患者にSU薬を
Merits and demerits of sulfonylurea
瀬口 正志
1
1大分市医師会立アルメイダ病院内分泌科
キーワード:
sulfonylurea
,
hypoglycemia
,
oral hypoglyemic agent
,
服薬コンプライアンス
Keyword:
sulfonylurea
,
hypoglycemia
,
oral hypoglyemic agent
,
服薬コンプライアンス
pp.503-506
発行日 2005年5月15日
Published Date 2005/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100543
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Case 1 服薬コンプライアンスが悪いやせた糖尿病患者
患者:71歳,男性,無職.
現病歴:身長164.0cm,体重56.0kg,BMI 20.8で30代以降体重の変動があまりない.肥満歴はない.
1996年健診で尿糖を指摘された.1998年近医で2型糖尿病と診断され,ベイスン(R)(0.3 mg)3錠3×(食直前)の内服を開始.HbA1C7~9%台で経過していた.さらに2000年6月頃よりアルコールの摂取量が増え血糖コントロール不良となった.8月にはHbA1C9.0%となり近医より教育ならびにコントロール目的で当科外来加療となった.再度栄養指導とアルコールの減量を行うもHbA1C7~9%台で経過していた.患者は再来予定日よりいつも遅れて来院した.服薬について確認したところ「朝のベイスン(R)は忘れずに内服できているが,昼や夕食時は忘れることが多い」とのこと.食事療法も比較的良好で運動も散歩(食後に30~60分)を積極的にしていることからグリミクロン(R)20 mgへ変更.2カ月後HbA1C6.9%まで改善.体重増加なく,低血糖症状も出現なし.グリミクロン(R)40 mgへ増量し,その後HbA1C6.5%前後で経過している.グリミクロン変更後は服用の忘れはなく再来予定日に必ず受診している.体重の変動もみられていない.
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