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Editorial
糖尿病診療にQOLの視点を―ちょっとした心配りで治療効果が向上する
Incorporation of quality-of-life standpoint into routine diabetes care
石井 均
1
1天理よろづ相談所病院内分泌内科
pp.187
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100374
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- Abstract 文献概要
幸福とは,それを失ってはじめてその価値がわかるようなもののことである.
(松田道雄「わが生活わが思想」1))
医師であった父からこう告げられました.「とても厄介なことになったよ.お前は血糖が330もあるんだ」.私は,「でも治してくれるんでしょ,パパ」と言ったものです.父は,「自分でもこの病気は治せないのだ」と穏やかに説明してくれました.すごくショックでした.けっしてそれまでのような生活はできないのですから.(エルボリッシェ「〈病人〉の誕生」2))
このショックは,自分がこの先一生病気であり,可能性が限られ,身体を脅かされていると知ったことに由来するショックにとどまらない.それはまた,絶えず治療を受け,それに伴う束縛を甘受しなければならないのだ,と知ったことからくるショックでもある.(同上)
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