徹底分析シリーズ 感染を防ぐ
ライン関連感染を回避するために麻酔科医ができること―小さな心配りの積み重ねがプロの証
志馬 伸朗
1
Nobuaki SHIME
1
1京都医療センター 救命救急科・感染制御部
pp.438-443
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101817
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麻酔科医の何割が,己が挿入したデバイスの末路をみているだろうか。あまり多くないに違いない。しかし,これはある意味,仕方がない。麻酔科医はそれほどに忙しい。でも,忘れないほうがいい。あなたが挿入したカテーテルは,そう低くない確率で,後に細菌定着をきたし,その何%かが感染を起こす。時としてその感染により,患者が死に至ったり,再手術が必要となったり,治療のために莫大な医療費を費やすことになる。それも,あなたが知らないところで…。
重要なことは,挿入時のほんの少しの“心配り”で,この合併症を減らせるということである。もちろん,合併症が減ったことすら,あなたにはわからないかもしれない。それでもいいではないか,患者のためになるのなら。
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