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筆者は1994年にある一人の患者からロービジョンケアを知り,それにより産業医科大学病院眼科にロービジョンクリニックを作ったのが1996年です.そして,柳川リハビリテーション病院に視覚障害者の眼科を2000年に開設してはや6年が経ちました.この間のロービジョンケアの発展はめざましく,その大きな入り口の一つである眼科領域ではロービジョンケアの考えはかなり浸透してきています1).しかし,他科の医師,看護師やリハビリ専門職のなかには,今なおロービジョンケアの存在を知らない方が多いのも事実です.したがって,まずは医療内,とくに眼科と内科・糖尿病科やリハビリ専門職とが積極的に連携していかなければなりません.そして,実際に視覚障害児・者に接することの多い教育や福祉関係者にもロービジョンケアを啓発していく必要があります.
ロービジョンケアは生活支援版セカンドオピニオン
最近,柳川リハビリテーション病院眼科では診断・治療を受けた後にどのように生活すればよいか,どのように勉強すればよいのか,どのように仕事をすればよいかを問うために受診される方々が増えています.これらはいわばセカンドオピニオンを求めた受診です.ロービジョンケアは昨今大学病院などに設置されているセカンドオピニオン外来の生活支援版ともいえます(Box 1).したがって,眼科医の役割は非常に大きく,重要です2).眼疾患の病態から失明の可能性や視覚的困難が予想できたり,患者が視覚的支障を訴えた時点で,眼科医は心のケアから始まるロービジョンケアを導入すべきです.そして,視能訓練士や看護師などのコメディカルとともに生活支援の立場からロービジョンケアを展開させていくことが大切です.
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