Japanese
English
Case Record
著明な動脈硬化を伴った2型糖尿病の2例―糖尿病と動脈硬化
Two cases of type 2 diabetes with marked arteriosclerosis
井上 愛子
1
,
宇都 祐子
1
,
石井 晶子
1
,
佐藤 賢
1
,
中神 朋子
1
,
岩本 安彦
1
1東京女子医科大学 糖尿病センター
キーワード:
糖尿病
,
脳血管障害
,
心筋梗塞
,
壊疽
Keyword:
糖尿病
,
脳血管障害
,
心筋梗塞
,
壊疽
pp.349-353
発行日 2004年5月15日
Published Date 2004/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100169
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Case 1 高度の肥満歴がある糖尿病罹病期間20年の67歳女性
歩行困難,下肢しびれ,およびめまいのため入院.糖尿病,肥満,更に高脂血症,高血圧と多数の心血管病の危険因子を合併しており,精査の結果,多発性脳梗塞,無症候性心筋梗塞を認めた.生活習慣の改善を目指した指導を行うと共に,薬物療法にて治療を行った.
Case 2 糖尿病放置期間14年の60歳男性
心筋梗塞発症時から糖尿病の治療を開始した.既に細小血管障害が存在しており,その後に糖尿病腎症の進行で血液透析を導入した.今回,左下肢壊疽のため入院となり,切断術を施行した.無症候性脳血管障害,陳旧性心筋梗塞および閉塞性動脈硬化症があり,全身の動脈硬化が著明な症例であった.
Caseの教訓:糖尿病患者において,肥満,高血圧,高脂血症,喫煙などの動脈硬化のリスクファクターを複数合併している場合には特に,無症候性の脳梗塞・心筋梗塞の発見に積極的に取り組まなければならない.また,特に末期腎不全患者では,足壊疽予防のため日々のフットケアが重要である.
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