Japanese
English
Case Record
血液透析導入前後に左右の硝子体手術を行い,良好な視力を回復し得た2型糖尿病の1例
A case of type 2 diabetes who could recover his visual acuity after vitrectomy for both eyes before and after starting hemodialysis
田中 瑞保
1
,
太田 陽子
1
,
佐藤 賢
1
,
石井 晶子
1
,
中神 朋子
1
,
戸田 淳子
2
,
北野 滋彦
2
,
岩本 安彦
1
1東京女子医科大学糖尿病センター内科
2東京女子医科大学糖尿病センター眼科
キーワード:
糖尿病
,
糖尿病網膜症
,
硝子体手術
,
慢性腎不全
,
血液透析
Keyword:
糖尿病
,
糖尿病網膜症
,
硝子体手術
,
慢性腎不全
,
血液透析
pp.519-522
発行日 2006年5月15日
Published Date 2006/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100333
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Case 12年来の糖尿病歴を持つ55歳の男性
経過中,血糖コントロールが不良のまま治療を自己中断し,2002年に通院を再開した際には既に糖尿病の3大合併症を認めていた.2003年,血清クレアチニン2.9 mg/dLと慢性腎不全の状態となり,同年中に血清クレアチニン5.55 mg/dLまで上昇した.このとき,糖尿病網膜症も福田分類B4 pm,B5 pmと進行し入院.左硝子体手術および左前腕内シャント作成術が施行された.しかし退院後に右硝子体出血が出現.保存的治療にて視力は改善せず,血清クレアチニンも8 mg/dL以上となったため再入院.血液透析を導入するとともに,右硝子体出血に対し右硝子体手術と白内障手術を施行した.その後の経過は順調で,術後,網膜症は次第に鎮静化し良好な視力の改善が得られた.
Caseの教訓:罹病期間の長い糖尿病患者はいくつもの合併症を抱えている.進行した糖尿病網膜症による視力低下の改善には,厳重な内科管理と眼科医との連携が必要である.
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