糖尿病対策も含めたトータルケアへの挑戦

福島県の西北部，新潟県境に位置する耶麻郡の西会津町は，トータルケアの町づくりで成果を挙げてきたことで知られている．人口約9,000人（高齢化率37％）の静かな農山村の印象だが，このダイナミックで熱い成果の背景には何があるのか．成果は表に出やすいが，その背景はあまり語られないところでもある．読者にとっても興味のあるところであろう．実際にトータルケア活動に携わってきたケアスタッフの皆さんとざっくばらんな対話をする機会を得た．10年を越える取り組みを経て，スタッフの皆さん自身も歩みを振り返る機会となり，最近は糖尿病対策にも取り組もうという動向が出始めている．一連の会話の中に，この町の推進してきたトータルケアに対するキーワードを見出していただけると幸いである．わが国が直面する高齢社会の健康づくりに対するヒントにもなるだろう．