高血圧診療の最前線 最新の戦略と今後の動向
高血圧治療の現状 ARBよりもACE阻害薬、RAS阻害薬よりもCa拮抗薬を優先させたい病態は?
里中 弘志
1
1東京大学医学部附属病院 臨床試験部
キーワード:
Enalapril
,
高血圧
,
多剤併用療法
,
Amlodipine
,
Ramipril
,
Telmisartan
,
Valsartan
Keyword:
Valsartan
,
Drug Therapy, Combination
,
Enalapril
,
Hypertension
,
Amlodipine
,
Ramipril
,
Telmisartan
pp.459-464
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010124049
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使用頻度の高い代表的な降圧薬であるCa拮抗薬、ARB、ACE阻害薬がどのような病態に積極的適応となるか、病態により薬剤間の優位性が比較的明らかな場合と必ずしもそうでない場合がある。心不全、腎疾患、糖尿病・メタボリックシンドローム合併例におけるRA系阻害薬の臓器保護作用はおおむね確立されている。Ca拮抗薬の抗狭心症作用も広く認められている。心血管イベント抑制効果については、大規模臨床試験の結果にはRA系阻害薬よりもCa拮抗薬に、またARBよりもACE阻害薬に多面的効果が優位である可能性を示唆するものがある。治療における位置づけを明確にするには、さらに作用機序も含めた検討が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010