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特集 糖尿病診療の神話と事実―日常診療のなかの不確実性
神話と事実
高血糖の急激な是正は網膜症を悪化させる
Intensive glucose control and worsening of diabetic retinopathy
柳澤 克之
1
1市立札幌病院内分泌代謝内科
キーワード:
糖尿病網膜症
,
DCCT
,
early worsening
Keyword:
糖尿病網膜症
,
DCCT
,
early worsening
pp.769-772
発行日 2005年9月15日
Published Date 2005/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100028
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Case 1 初診時に単純網膜症を認め,血糖コントロール後に網膜症の悪化をみた2型糖尿病患者
患者:48歳女性,主婦,157 cm,49 kg,血圧102/60 mmHg.
臨床経過:2003年6月の検診にて,高血糖および高脂血症を指摘され近医受診.初診時FPG 253 mg/dL,HbA1C 9.5%にてアマリール(R)にて治療開始され,2003年8月に当科紹介され入院となる.合併症は単純網膜症,神経伝導速度の低下や腱反射の減弱などの末梢神経障害を認めたが,腎症は認めなかった.食事・運動療法などを施行,血糖日内変動検査は前医処方の内服薬にて良好であり同内容にて継続とした.入院時のHbA1Cは8.2%,その後のHbA1Cの経過はBox 1に示すとおり,約1年間でHbA1Cは9%台から改善し6%台となり落ち着いていた.網膜症は当初,単純型であったが2004年10月頃より悪化傾向となり,2005年6月に硝子体出血あり,硝子体手術目的にて入院となった.
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