JIM臨床画像コレクション
肉腫様形態を呈した大腸神経鞘腫
今西 幸市
1
,
宗像 博美
1
1湘南鎌倉総合病院消化器内科
pp.888
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903718
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大腸の非上皮性腫瘍は比較的少なく,多くは直腸に認められている.良性腫瘍としては脂肪腫,平滑筋腫などがあり,悪性腫瘍としては平滑筋肉腫,悪性リンパ腫が多く報告されている.なかでも,大腸の神経鞘腫は極めて稀な疾患である.
本症例は,55歳,女性.便潜血検査陽性にて大腸内視鏡検査を施行,S状結腸に神経鞘腫を認めた.左図:大腸内視鏡像で,S状結腸にほぼ内腔を塞ぐ,壊死物質の付着したいわゆる肉腫様隆起を認めた.基部で上皮が一塊状になっていた.中央図:骨盤CTで,S状結腸に幅30mm大の均一にenhanceされる充実性腫瘍を認めた(矢印).右図:H-E染色像である.腫瘍細胞は紡錘形ないし類円形核を有しており,柵状配列を示し増殖していた.免疫染色では神経細胞を表すS-100蛋白が陽性で,筋原細胞を表す平滑筋アクチンが陰性であった.以上より神経鞘腫と診断した.
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