エシックス・ケース・カンファレンス
細菌性肺炎を併発した進行期肺癌の70代女性
小山 弘
1
,
金 容壱
1
,
武 ユカリ
2
,
板井 孝壱郎
3
,
浅井 篤
2
1京都大学医学部附属病院総合診療部
2京都大学大学院医学研究科医療倫理学分野
3宮崎医科大学哲学・倫理学
pp.879-886
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903628
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【ケース】 進行(第4期)肺癌のためにほとんど寝たきりになっている70代の女性が,細菌性肺炎を併発した.長期にわたる抗生物質併用療法にもかかわらず難治性である,意識は清明だが,全身状態はかなり悪化している.痛みは十分にコントロールされており,経鼻力ニューレによる酸素補給で会話もできる.食事摂取は可能だが体重は減少してきている.患者は病名および原疾患に対して根治的な治療がないことを理解している.
肺炎が悪化して呼吸不全に陥り心肺停止が起きた場合,担当医は心肺蘇生術(CPR)を施行すべきか否かを判断しなくてはならない担当医はDNR指示(心肺蘇生術を行わないという指示.do-not-resuscitate orders)を出すべきだろうか,どのような手順で決めるべきであろうか.
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