JIM臨床画像コレクション
体外受精の目的で排卵誘発されている卵巣・子宮と胚(受精卵)の形態
藤村 聡
1
,
中村 光作
2
,
福井 次矢
1
1京都大学医学部附属病院総合診療部
2日本赤十字社和歌山医療センター産婦人科
pp.868
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903351
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1978年に世界で初めて行われた体外受精(IVF)は本邦でも普及し,これによる出産数は現在年間1万例を超す.当初は自然排卵される成熟卵子を採取していたが,近年は複数個の受精卵(胚)を移植する目的で,排卵誘発を行い複数の卵を採取することが多い.
表紙写真の上(経腟エコー)は卵誘発剤で刺激された卵巣と子宮内膜である.通常の月経周期では1個しか成熟しないことの多い卵胞が複数個成熟し,着床に備えて子宮内膜が肥厚していく様子が観察できる.体外受精時はこのように卵胞の成熟を観察し,超音波ガイド下に経腟的に穿針し,卵胞から直接,卵子を複数個採取する.採取した卵子に培養液中で調整した精子を加え受精させるが,最近は,精子欠乏症の男性には,顕微鏡下で精子を直接卵子の細胞質内に注入する方法も行われ,体外受精は女性側だけでなく男性側の不妊症にも効果を上げている.
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