特集 自律神経症状に強くなる―血液・画像検査に頼りすぎるな
One more JIM
田村 直俊
,
森田 陽子
,
高橋 良当
,
中野 弘一
pp.636-637
発行日 2001年7月15日
Published Date 2001/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903298
- 有料閲覧
- 文献概要
Q1 特殊な機器がない施設では,どのように 自律神経機能を評価すればよいでしょうか.
A 起立試験,心電図R-R間隔変動のCV値(CVR-R)測定,発汗試験で,おおまかなスクリーニングと病巣診断は可能である.①起立試験:自動血圧計を用いて,安静臥位時と起立時の血圧を30秒~1分ごとに測定する.安静臥位時の血圧は最低でも5回測定し,成績が安定する3回目以降の測定値の平均を起立前血圧とする.起立後2分以内は,健常者でも著明な血圧下降を示すことがあるので,起立性低血圧の判定には起立2分以後の成績を用いる.判定には脈拍の成績も重要なパラメータである.病巣診断のためには,起立前後で血漿ノルアドレナリンを測定する.②CVR-R:心電図で安静臥位時の連続100心拍を記録し,R-R間隔の平均値と標準偏差を計算する.CVは以下の式で求められる.CV (%)=(標準偏差/平均値)×100.③発汗試験(ミノール法):ヨード15g,ヒマシ油100 ml,無水アルコール900 mlとデンプン粉をよく混ぜ,刷毛で全身に塗布する.温熱・薬物負荷で発汗が生じると,ヨード・デンプン反応で発汗部位が黒紫色に変色する.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.