外来で見逃された症例―あなたの診断は?・19
旅行後に出現した左下肢の腫脹
馬杉 綾子
1
,
生坂 政臣
1
,
亀谷 学
1
1聖マリアンナ医科大学病院総合診療内科
pp.293,390
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902957
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症例:76歳,女性.熱海へバス旅行に出かけたが,帰路は渋滞に巻き込まれた.帰宅翌朝より左足の腫脹感が出現し,その日のうちに左下肢全体に及び,3日たっても改善しないため当科を受診した.下肢の自発痛,胸痛,呼吸困難はない.既往歴に高血圧があり内服加療中である.来院時の身体診察では,血圧140/70mmHg,脈拍72回/分・整,体温36.6℃.頭頸部および胸腹部に異常所見なし.左下肢には発赤および熱感を伴う非圧痕性のびまん性腫脹を認める(図1).Homans徴候は陰性で,足背動脈,後腓骨動脈は触知可能であった.
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