オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・79
発熱および左下腿発赤にて来院し、左膝腫脹を生じた高齢女性
宮城 孝雅
1
,
仲里 信彦
1
,
徳田 安春
2
1沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 総合内科
2臨床研修病院群プロジェクト 群星沖縄臨床研究センター
pp.991-995
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204424
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CASE
患者:85歳、女性。
主訴:発熱、左下腿発赤。
現病歴:ADL一部介助が必要な、施設入所中の高度認知症患者。10年前に右大腿骨頸部骨折で骨頭全置換術、左人工膝関節置換術(total knee replacement : TKR)後である。受診前日に発熱、左下腿の熱感および発赤を認め、かかりつけ医を受診した。蜂窩織炎疑いにて第3世代セフェム系抗菌薬を処方され、外来経過観察となった。しかし左下腿の発赤腫脹の悪化を認め、当院救急室を受診した。悪寒戦慄は明らかではなかった。最近の下肢の外傷歴はない。
既往歴:認知症、妄想性障害、肝硬変(Child-Pugh B)・食道静脈瘤あり、大腸憩室出血、右大腿骨頸部骨折および骨頭全置換術(10年前)、左TKR後(10年前)、腎盂腎炎、右下腿蜂窩織炎(2年前と8カ月前の2度発症し、2回とも血液培養からStreptococcus dysgalactiae subsp. equisimilisが検出)。
内服歴:カルベジロール(1.25 mg)1回1錠 1日1回朝、ランソプラゾール(15 mg)1回1錠 1日1回朝、ベタネコール(20 mg)1回1包 1日2回朝夕、酸化マグネシウム(500 mg)1回1錠 1日1回昼、センノシド(12 mg)1回2錠 1日1回夕、ラクツロースシロップ65% 1回20 mL 1日2回朝夕、抑肝散(2.5 g)1回1包 1日2回夕食前と寝る前。
生活歴:飲酒歴なし、喫煙歴なし。
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