JIM臨床画像コレクション
皮膚科疾患とリンパ節腫脹
山崎 雄一郎
1
1国立病院東京医療センター皮膚科・臨床研究部
pp.660
発行日 1999年7月15日
Published Date 1999/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902781
- 有料閲覧
- 文献概要
成人アトピー性皮膚炎(上図):従来アトピー性皮膚炎は小児の疾患であって,多くは成長するにつれて軽快すると考えられてきたが,最近では20歳以降の症例の増加が問題になっている.成人アトピー性皮膚炎は,治療抵抗性のケースが多く,また,しばしば高IgE血症や白内障,気道アトピーなどを合併し,皮膚では顔面の紅斑がほぼ必発である.ステロイド外用を急に中止し,皮疹が増悪すると,全身の潮紅と落屑とを伴う紅皮症状態になることがある.
皮膚病性リンパ節症(中・下図):皮膚の発疹を伴う疾患にみられるリンパ節腫脹のうち,梅毒や風疹,帯状ヘルペスなどの感染症に伴うものや,皮膚の癌の転移によるもののほかに,全身の皮膚の潮紅と落屑とを伴う状態(紅皮症)の際にみられる皮膚病性リンパ節症(dermatopathiclymphadenopathy : DPLP)という反応性のリンパ節腫大がある.病理組織学的には,リンパ節の正常構築は維持され,皮質のリンパ濾胞は大型になり,特にparacortical areaの著名な増生が特徴的(中図).強拡大でメラニンを貧食したマクロファージが認められる(下図).
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.