Update '99
プライマリ・ケアに対する総合診療関連医師の姿勢
稲田 博道
1
,
大西 弘高
1
,
小泉 俊三
1
1佐賀医科大学総合診療部
pp.277
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902689
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現在,わが国において総合診療科(部)の設立が進められていますが,しばしば「総合診療」と「プライマリ・ケア(PC)」という言葉の異同について問題にされることがあります1).日本における総合診療やPCを担う部門として,米国にはFamily Medicine (FM)やGeneral Internal Medicine (GIM)がありますが,別々に発足したため,時折その共通点や相違点が取り沙汰されます.共通の分野にPCは大きな部分を占めていますが,PCの定義そのものが非常に複雑な問題であり,文献2)をご参照下さい.米国で,大学関係者はPCに対して冷めた雰囲気を持っているという報告3)もありますが,米国の現状を知ることはわが国の今後を占うために重要であり,今回は,この問題について調査された文献4)について紹介します.
ハーバード医科大学とその関連施設に在籍する医師(FM34名,GIM34名),研修医196名,学生81名にインタビューがなされ,医師に対しては,PCに関する医療知識,経験,仕事の満足度について,研修医や学生に対しては,FMとGIMに携わる医師のPCに対する姿勢,PCを推奨する熱意,PCのトレーニングに対する満足度が質問されました.
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