プライマリ・ケア プライマリ・ケアに必要な初期臨床研修とその現状・4
プライマリ・ケアに必要な医師の技能
荒川 洋一
1
,
坂本 健一
2
,
藤井 幹久
3
,
鈴木 俊一
4
,
箕輪 良行
5
,
吉新 通康
6
,
細田 瑳一
7
1福島県立島田病院
2兵庫県南淡町立灘診療所
3岡山県大原町国保病院
4宮崎県医務薬務課
5東京都三宅村国保阿古診療所
6自治医科大学地域医療学
7自治医科大学循環器内科
pp.938-941
発行日 1984年5月10日
Published Date 1984/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219045
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はじめに
プライマリ・ケア(PC)医師に要求されるものとして,日野原は表1の3項目1)をあげている,現場の医師の業務内容は,そのおかれた状況(病院か診療所か,有床か無床か,設備,co-medical staffの有無,周辺医療機関との関連,背景人口,地理的状況など)により異なっている.しかし,こうした相異を超えた基本的な医師の技能,医師に要求される条件が存在する.日本医学教育学会の卒後初年度臨床研修目標案2)は,その代表的なものである.一方,全国各地で第一線医療に携わっている自治医大卒業医師の研究会である地域医療学研究会は,初期臨床研修に関する調査・研究から,一般診療のための研修案を示している.これらに示された各項目の必要性の程度はそれぞれ異なり,PCに必要な初期研修を考えるためには,その各項目に続いて重みづけを明確にし,PCの実態を反映させることが必要であると考える.そこで今回われわれは,PCの実践の場として重要な位置を占めている地域の第一線にある診療所を中心に,医師に要求される技能を検討した.
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