JIM臨床画像コレクション
特発性食道破裂(Boerhaave症候群)
今西 幸市
1
,
早田 台史
1
1湘南鎌倉総合病院消化器内科
pp.968
発行日 1998年11月15日
Published Date 1998/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902604
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特発性食道破裂は1724年,Boerhaaveらにより初めて報告された稀な疾患である.しばしば診断に難渋し,元気な患者が予期せぬ死に急速に至ることがあるため,未だ問題にされている.
症例は60歳,男性.激しい嘔吐後,左胸部痛および上腹部痛が生じ来院した.初診時,意識清明であるが苦悶状であった.左側胸部に叩打痛があり,同側下肺野の呼吸音が微弱であった.上腹部に反跳痛および筋性防御を伴う圧痛を認めた.上図は胸部単純X線像で,左肋骨横隔膜角の鈍化があり胸水が疑われた.また,気管の周囲および心陰影左縁に縦隔気腫を認めた(矢印).中央図は胸部CT像で,気管分岐前方に縦隔気腫を認めた.また,左肺野に胸水を認めた.下図は食道造影像で,食道下端で左胸腔内にガストログラフィンの漏出があった.以上より,特発性食道破裂と診断し,緊急手術を行った.
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