特集 薬物療法マニュアル
Ⅲ.周術期の薬物療法
2.緊急手術
特発性食道破裂
島田 英雄
1
Hideo SHIMADA
1
1東海大学医学部外科
pp.172-174
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903815
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基本的な事項
特発性食道破裂の典型的な初発症状は飲酒後の繰り返す嘔吐に続発する激烈な胸背部痛,心窩部痛であることが多い.そのため,急性腹症や呼吸,循環器系疾患が疑われ検査が進められることもある.また,比較的稀な疾患であるため,本疾患を念頭に入れて検査が施行されないと診断に難渋する.早期診断は治療方針の決定,さらには予後にも関与してくる.このような経過で発症し,胸部X線検査,胸部CT検査で縦隔気腫,気胸,胸水が確認されれば食道破裂を疑い,水溶性造影剤(ガストログラフィン®)で食道造影を行い,造影剤漏出の有無を確認することが必要である.
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