Update '98
外来診療において満たされなかった患者の期待―その頻度と要因
迫 香織
1
,
大西 弘高
1
1佐賀医科大学総合診療部
pp.908
発行日 1998年11月15日
Published Date 1998/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902587
- 有料閲覧
- 文献概要
日本では,総合診療の一分野である心理社会的な側面についての研究は,まだ準備段階にあると思われます.世界的には,qualitative researchの手法を用いたこの分野の研究が注目されてきており,その一つを紹介したいと思います1).
多くの患者は外来を受診する際,身体的な苦痛や不自由,様々な不安に加え,それらから解放されたいという期待を抱いています.しかし,身体的訴えの裏に隠れている各々の患者の期待を汲み取ることは容易ではなく,これを理解することは,患者の満足度を上げ,quality of careを改善するためにますます重要となっています2).この研究では,外来診療において満たされなかった期待の頻度と要因,また満たされなかった期待が形成される過程について検討が行われました.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.