Update '98
褥瘡の病態と治療
関口 忠司
1
1那須南病院外科
pp.147
発行日 1998年2月15日
Published Date 1998/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902381
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褥瘡に関しては看護系の雑誌に多く取り上げられるが,単に看護の問題だけでなく,医師,家族を含めた問題であろう.また,局所の問題にとどまらず全身状態と深くかかわりを持ち,局所治療,全身治療に最適な方法を選択しなければならないし,保存的治療の限界も判断しなければならない.このような褥瘡に関しての特集が「医学のあゆみ」(1996年9月14日号)1)2)に組まれている.
褥瘡の在宅治療:生活者である介護者の立場や事情を考慮して,介護者の精神的,身体的,経済的負担を軽減する援助が必要である.全身状態の管理を第一に考え,予防と早期治療を行い,膀胱留置カテーテルの一時的使用も考慮する.在宅福祉サービスの利用を勧める.先の見えない看護者の精神的負担を軽減するため経過を十分に説明し,観察法,予防法,処置の方法などのマニュアルを作って介護者に渡しておく,介護者の努力を素直に評価するなど,病院施設内とは違った観点で行われなければならない.
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