触れ合える喜びと支えうる生きがいと

　私が被爆都市広島の旧市内の一角に開業したのは大学を卒業して13年目（1984年）でした．卒後2年間大学病院で研修後，ある事業所病院に勤めていましたが，もっと地域に密着して患者さんの生活と触れ合える医療に携わりたいと思うようになりました．旧邸付きの土地140坪を購入し，洋間の一部を改造して診療所にして，その一角に住むことにしました．大口のスポンサーは当てにしないことにしている私たちにとって，新築でない点で費用面の節約になりましたが，なんといっても裏に広い庭があることは自慢（？）できる特徴で，窓越しに緑を観ながらの診察は，患者さんの気持ちを和らげるのに役立つことになりました．