一般医のための画像診断セミナー
イレウス(2)―腸管壊死について
湯浅 肇
1
,
井出 満
2
1天竜厚生会診療所
2岸和田徳州会院病院腹部超音波室
pp.1074-1078
発行日 1996年12月15日
Published Date 1996/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902028
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■血行障害による腸管壊死は,動脈閉塞によるものと静脈閉塞によるものとがあるが,イレウスによる壊死もどちらかに類似する.
■腸管の粘膜面に付着するやや大きなhigh echo点は凝血と壊死物質によるもので腸管壊死の1つのサインである.
■動脈閉塞によって腸管には,腸管壁の菲薄化,ケルクリングの不鮮明化,粘膜面にやや大きなhigh echo点の付着,などの変化がみられる.
■静脈閉塞による腸管の変化は,壁が著明に肥厚し,層構造の破壊がはっきりみられるが,やや大きなhigh echo点の付着は出現しにくい.
■腸管壊死を診断する場合,腸間膜の変化も同様に念頭におく.
■腸間膜動脈閉塞痕を疑った場合,動脈,静脈のおのおのを直接描出することを試みるべきである.
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