臨床研究
医学生に対する診断の思考過程の訓練―病態生理を重視した症候学を用いたアプローチ
加藤 博之
1
,
江村 正
1
,
福岡 麻美
1
,
高島 敏伸
1
,
大森 啓造
1
,
須永 俊明
1
1佐賀医科大学一般内科
pp.453-457
発行日 1996年5月15日
Published Date 1996/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901830
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目的
医学生に対する教育において,思考過程そのものが問題となる「診断の過程」を学習させることは容易ではない.患者が何らかの症候を呈して受診し,医師が問診と診察を行って(確定診断には至らぬまでも)ある程度の診断を下し,初期対応の方針を決定していくことは,医療現場で当然のように毎日行われていることであり,最もプライマリケア的な臨床能力である.しかしながら医学生にはその能力が乏しく,したがってこのような診断能力を備えることを目的とした訓練が必要となる.佐賀医科大学(以下本学)では,6年生の学生に対し症候学の1つのテーマを与えて,病態生理の理解と考察を重視した自己学習を行わせることにより,診断の思考過程の訓練に効果を上げているので報告する.
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