JIM臨床画像コレクション
蕁麻疹様血管炎
宮地 良樹
1
1群馬大学医学部皮膚科
pp.391
発行日 1996年5月15日
Published Date 1996/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901812
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本来,蕁麻疹は真皮の一過性の浮腫であるので,24時間以内にあとかたもなく消退するのが普通である.発疹は明らかに膨疹であるのにもかかわらず,24時間を越えて個々の発疹が持続して同部位にみられる場合には2つの病態が考えられる.
1つは,いわゆる遅発型アレルギー反応の表現としての,遷延する蕁麻疹である.とくにアトピー素因のある人に蕁麻疹が生じると,肥満細胞からのサイトカインの関与により好酸球の浸潤を伴う紅斑が持続する場合がある.実際,6~8時間後に生検すると血管炎の像はないものの好酸球の浸潤がみられるとされる.
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