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特集 痴呆の外来診療
痴呆の薬物療法の功罪
Drug Therapy for the Dementia : Merits and Demerits
藤沢 嘉勝
1
1きのこエスポアール病院
pp.1076-1080
発行日 1995年12月15日
Published Date 1995/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901686
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現在,脳循環代謝改善薬と呼ばれる薬剤が多数開発され,主として脳血管性痴呆患者の辺縁症状の改善を目的として使用され,徐々に治療効果を上げるようになってきた.しかし,短期間のうちに多くの種類の薬物が発売されたこと,またこれらの薬剤の使用法に一定の処方法があるわけではないため無定見に使用され弊害もみられるようになった.特に向精神薬中心の治療を受けている症例や,多剤併用例の中には,副作用も手伝って,かえって痴呆を悪化させているケースも見られ,薬をやめただけで症状が改善するという皮肉なケースもある.
そこで本稿では痴呆患者に対する薬物療法の功罪について述べ,主として脳血管性痴呆患者の薬物療法の実際について言及する.
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