Japanese
English
特集 うつ病の早期介入,予防(Ⅱ)
早期介入における薬物療法の功罪
Merits and Demerits of Pharmacotherapy in Early Intervention with Depression
岩崎 弘
1
,
中山 和彦
1
Hiroshi IWASAKI
1
,
Kazuhiko NAKAYAMA
1
1東京慈恵会医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
Early intervention
,
Depression
,
Pharmacotherapy
,
Resilience
Keyword:
Early intervention
,
Depression
,
Pharmacotherapy
,
Resilience
pp.763-769
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102797
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はじめに
近年,他の身体疾患と同様に,精神疾患においても「早期介入・早期治療」の是非が盛んに論議されるようになってきた。疾病の重症化を未然に防ぎ,後に患者にかかるであろう心理的・肉体的負担や医療経済的負担を軽減させる点からすると,確かに「早期介入・早期治療」にはメリットがある。しかし一方では,早期の治療導入が患者の自然回復を損ね,医療化によりかえって事態が複雑化する事例も少なからず存在する。本稿では,うつ病の早期介入における薬物療法について,主に批判的観点から論じ,患者が備える自然回復力を活用した精神療法的アプローチの意義についても述べたい。
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