Japanese
English
誌上シンポジウム 整形外科外傷治療の進歩
V.A.C.療法の功罪
Vacuum-Assisted Closure Wound Therapy for Orthopaedic Trauma
酒井 和裕
1
,
吉野 興一郎
1
,
濱崎 将弘
1
,
馬渡 玲子
1
,
古川 雄樹
1
,
杉田 健
1
,
永吉 信介
1
,
宮地 有理
2
Kazuhiro SAKAI
1
,
Kouichirou YOSHINO
1
,
Masahiro HAMASAKI
1
,
Reiko MAWATARI
1
,
Yuuki FURUKAWA
1
,
Ken SUGITA
1
,
Shinsuke NAGAYOSHI
1
,
Yuri MIYACHI
2
1健和会大手町病院整形外科
2健和会大手町病院形成外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kenwakai Ootemachi Hospital
2Department of Plastic Surgery, Kenwakai Ootemachi Hospital
キーワード:
V.A.C.療法
,
vacuum-assisted closure wound therapy
,
整形外傷
,
orthopaedic trauma
,
治療転換
,
switching
Keyword:
V.A.C.療法
,
vacuum-assisted closure wound therapy
,
整形外傷
,
orthopaedic trauma
,
治療転換
,
switching
pp.347-351
発行日 2014年4月25日
Published Date 2014/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408103017
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V.A.C.療法は肉芽形成を刺激して創傷治癒を促進させる閉鎖陰圧療法で,汚染創などの治療を容易とした.外傷性皮膚軟部組織欠損も適応で,従来法と比べて便利で感染などの危険性も少ない.しかし,骨関節や腱・神経・血管損傷などが合併しているときは使用法に注意を要す.肉芽形成は創治癒を促進する一方で,最終的には瘢痕となり癒着を生じる.癒着はこういった組織損傷の治療成績を悪化させるためである.創傷治癒だけではなく機能回復も目指すために,これらの組織損傷を合併した広範囲開放創は長期にV.A.C療法を行うべきでない.Damage controlや感染制御期間の一時的な創傷保護を主目的として使用し,早期に機能再建と皮膚欠損部を皮弁などに変換するほうがよい.最近はインプラント露出部や感染創にも使用されているが,十分なデブリドマンと創の観察が必要である.
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