Modern Therapy Modern Therapyの反省
ホルモン療法の功罪
五十嵐 正雄
1
Masao Igarashi
1
1群馬大学医学部産科婦人科
pp.869-871
発行日 1981年12月10日
Published Date 1981/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206528
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私に与えられたテーマはホルモン療法の功罪であるが,ホルモン療法の効果については衆知のことなので,本論文では主として副作用について考えることにする。
最近のホルモン剤はかなり強力であり,だいたい所期の目的を達成できる,と同時に副作用もかなり起こりうる。なぜ副作用が起こるかというと,最近の知見によるとホルモンの効果は,標的器官(target organ)の細胞膜あるいは細胞体や核にある受容体(receptor)とホルモンとが結合することによって発揮される。ところが受容体は末梢の各種標的器官にあると同時に,中枢の視床下部や下垂体前葉にもあり,従って例えばestrogenや黄体ホルモンを投与するとその結果negative feed back効果が現れて,FSH,LHが減少し,結果として性腺機能の低下となってくることが多い。これは1例であるが,receptorが広く存在するために効果のほかに副作用が起こるわけである。
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