ミニテクニック
母親に何でもみせる小児科外来(2)―顕微鏡検査をテレビでみせる
絹巻 宏
1
1絹巻小児科クリニック
pp.467
発行日 1995年5月15日
Published Date 1995/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901515
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「なんでもみせる外来診療」の工夫の1つとして,約2年前から,診察室の顕微鏡にCCDカメラとモニターテレビを接続し,尿検査,真菌検査,虫卵検査など顕微鏡検査の所見をテレビ画面で母親と子どもにみせている.
筆者が使っているのはモノクロシステムで,モニターテレビは9インチの小型である.これらの無染色または単染色標本の観察には,カラーよりもモノクロが適しており,画像は鮮明である.尿沈渣の赤血球や白血球,皮膚カンジダ症や鳶口瘡のカンジダ菌糸,蟯虫の卵や虫体,頭じらみの卵や虫体などをみせている.以前は顕微鏡を直接のぞかせていたが,所見を説明しても理解してもらえないことが多かった.しかしこの「顕微鏡テレビ」では,画面上で説明できるので,よく理解してもらえるようである.医師が鏡検しながら同時に母親と子どもに供覧できる点も優れている.テレビをみせた母親へのアンケート調査では,「病気のことがよく理解できた」,「言葉での説明よりもよくわかる」,「この方法はよい」,「みて安心できた」,「納得できた」など好評であり,全員が「次回もみたい」と答えた.
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