特集 統計を学ぶ
数をみせる
西 真楠
1
1厚生省大臣官房統計調査部管理課専門官室
pp.34-38
発行日 1964年6月10日
Published Date 1964/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203130
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諸姉が地地城社会の人びとに保健教育をすすめ,あるいは,学会などで研究成果を発表されるさいに,統計などの比較を示したい場合には,数値を図形にかえて表現した,いわゆる図表をつかって示すのが賢明であろう.世に「百聞は一見にしかず」ということばがあるが,現物を見せ,できれば味あわせ,さわらせ,また道具ならば使ってみせることによって,見る人は各自のもっている知識に応じた深さで直感的に理解することができる,ところが,話して聞かせたり,文章にかいて読ませるのでは,ききてや読みてがことばや文字を知り,ある程度の予備知識をもっていなければ理解できないし,話しての説明の不手ぎわやききて,読みての総合判断力の不足から誤解を招くこともあろう.
このように,そのものズバリを見せる方法は便利にちがいないが,それができない場合も少なくない.そのような場合には,現物の代わりに万国共通語ともいわれている画や略図を利用することによって効果をあげることができる.数値を図表で示すのもこれと同様の効果があるので,図表の利用は賢明といえるわけである.さて,私もこのへんでズバリとゆくことにしよう.第1表をご覧になっていただきたい.この数値は昭和22年から最近までの出生千対の乳児死亡率を示したものであるが,この一連の数値をみて何がおわかりであろうか.多分「昭和22年の率が最高で,だいたいにおいて年々減率し,昭和38年の率が最低である.
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