ミニテクニック
母親になんでもみせる小児科外来(1)
絹巻 宏
1
1絹巻小児科クリニック
pp.142
発行日 1995年2月15日
Published Date 1995/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901426
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- 文献概要
開業小児科医の場合,扱う疾患のほとんどはありふれたものであり,しかも軽症のものが多いので,診療行為はどうしても単調になりがちである.その外来診療を,医師にとって「楽しく・面白く」,また母親と子どもにとって「わかりやすく・面白い」ものにしたいと考え,私が工夫していることの1つが「母親になんでもみせる外来診療」である.
子どもの診察や検査の所見で,母親がみてすぐにわかるものや面白そうなものは,なんでも母親にみせてしまう.たとえば診察所見では,咽頭や扁桃の発赤や粘膜疹はもちろん,鼓膜の発赤や膿性鼻漏も耳鏡や鼻鏡でのぞかせ,また腫大したリンパ節や唾液腺,腹部の糞塊,そけいヘルニア,陰のう水腫などは手で触らせる.裂肛や外陰腟炎は一緒にみる.検査では尿沈渣や蟯虫卵などの顕微鏡検査をテレビ画面でみせる(図1).また血算,CRP,溶連菌やロタウイルスなどの迅速検査は目の前でやってみせる.処置も浣腸,採血,注射などすべて母親にみせながら行う.病気の説明のため本でもアトラスでもなんでもみせる.というようにな具合いである.私自身「みせる」ことを楽しんでおり,母親たちにも好評のようである.同じようなことを行っている小児科医は多いと思う.
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