Japanese
English
特集 神経疾患エマージェンシー
症状からのアプローチ
突発する片麻痺―脳血管障害の診断と初期治療
Sudden Onset Hemiplegia
斎藤 智彦
1
1さいとう内科
pp.314-315
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901474
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
■lacunar infarctの1例
患者 68歳,男性.
健康診断の際に高血圧を指摘されていたが,治療を受けることなく放置していた.朝起きたら,ろれつが回らないのに気が付いた.午後になって右の手が何となく使いにくくなったのに気が付いた.家人に付き添われて来院した.来院時,血圧180/98mmHg,脈拍75/分,不整脈なし.呼吸,体温異常なし.意識障害はなく,失話,失行,失認などの高次脳機能障害も認めなかった.脳神経系は構語障害(dysarthria)を認めた.他の脳神経には異常は認めなかった.運動系では,歩行が右下肢をやや引きずる右片麻痺型歩行(hemiplegic gait)を呈していたが,筋力テストでは上肢,下肢ともに正常であった.手回内回外検査と,finger wiggleで右上肢に変換運動(反復)障害(dysdiadochokinesis,J1)が認められた.右下肢にBabinski反躬がみられた.発症後10日目に施行した頭部CT検査で,左放線冠(corona radiata)に低吸収域があり,穿通枝系の脳梗塞(lacunar infarct,J2)であった.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.