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特集 神経疾患エマージェンシー
症状からのアプローチ
激しい回転性めまい―末梢性めまいと中枢性めまいの鑑別と初期治療
Vertigo:Differentiation of a neurologic disorder from a benign vestibular disturbance
峰松 一夫
1
1国立循環器病センター研究所病因部
pp.312-313
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901473
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■回転性めまいを主訴に受診した77歳男性
主訴 吐気,めまい.
経過 高血圧治療中の患者.これまでめまい発作の経験なし.排便中に突然,天井がぐるぐる回る激しいめまいと吐き気で発症した.症状が持続するため,当院へ緊急入院した.
所見 血圧170/105mmHg.見当識障害,失調性構音障害,左への注視障害および左注視方向性の眼振,左上下肢の協調運動障害あり.
入院時のCT検査で,淡い高吸収域が左小脳半球と第4脳室に存在(図1,矢印).血腫の径が3cm未満と小さく意識障害も軽いため,内科的管理可能と判断し,集中治療窒にて全身管理および高浸透圧溶液による脳浮腫治療を行った.めまいは1~2日で徐々に軽減,消失し,その後眼球・小脳症候も完全に消失.3週間目のMRI検査にて,左小脳半球の出血巣を確認した(図2).
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