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特集 神経疾患エマージェンシー
症状からのアプローチ
発熱を伴う頭痛,意識障害―中枢神経感染症の診断と初期治療
Headache and Disturbance of Consciousness with Fever:Diagnosis and early treatment of central nervous system infections
西山 雅則
1
1祐愛会織田病院内科
pp.316-317
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901475
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■見逃されていた化膿性髄膜炎
患者 76歳,女性.
発熱,頭痛および全身倦怠感のため近医受診.かぜとして治療を受けたが改善せず,3日目に当院に紹介された.来院時,吐き気が強く,意識は何となくポーッとした感じであり,何を尋ねても時々「アー」と答えるだけであった.手には病衣をはぎとる動作がみられ,尿失禁を認めた.体温39.5℃.髄膜炎を疑い,まず項部硬直の有無をみたところ強度に認められた.眼底検査で乳頭に浮腫を認めなかったため,直ちに腰椎穿朝を施行.髄液は,白色混濁,初圧24cm水柱,多数の細胞(1,000/mm3以上)を認め,ほとんど多核球であった.化膿性髄膜炎と診断し,直ちにアンピシリン2gを静注した・髄液のグラム染色で細菌を認めなかったため,起炎菌不明例としてアンピシリン8g/日とセフトリアキソン4g/日による治療を行った.意識は3日目に清明となり,4日目には解熱傾向を示し,CRPは14日目に(入院時6+)陰性化した.
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