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特集 更年期外来
外来でよくみる症状とその対応
尿失禁
Incontinence
原口 忠
1
1えびす皮フ泌尿器科
pp.122-123
発行日 1995年2月15日
Published Date 1995/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901418
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■腹圧上昇に伴う尿失禁
患者 52歳,主婦.
以前からくしゃみをした際に下着が少し濡れることに気付いていたが,3日前大掃除をした時,電話帳を数冊まとめて持ち上げたところ,尿が漏れた感じがした.トイレで確認すると,下着が濡れていたが病院にも行きづらく,しばらく悩んだ後に当院を受診する.既往症は特になく,視診,触診所見および排尿状態,尿所見ともに問題を認めなかった・お産は正常分娩で2児を出産している.
骨盤底の筋肉が弱ってきたために尿を保持しきれず漏れてしまうことを患者に説明し,毎日朝夕5分ずつ肛門を締める訓練をするよう勧めた.2週間後,「あまり変化がない」と不安そうな様子で再診する.すぐには改善しなくても,毎日の訓練で必ず良くなることを説明し,トフラニール(25mg)2錠/dayを処方する.さらに2週間後の再診時,下着があまり濡れなくなったことに患者は安堵していた.これは薬の効果よりも,日々の訓練が効を奏しているためだと説明した.2カ月後日常生活上,尿漏れを認めなくなったため,内服は中止し行動療法だけを継続している.
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