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特集 更年期外来
外来でよくみる症状とその対応
のぼせ,発汗,hot flush,動悸など―血管運動性および心血管系の症状
Hot Flushes, Sweats, Palpitations, etc.
中村 元一
1
1国家公務員等共済組合連合会浜の町病院産婦人科不妊症センター
pp.120-121
発行日 1995年2月15日
Published Date 1995/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901417
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■多くの症状を有する更年期障害の典型例
患者 55歳,女性,主婦.
52歳で閉経,そのころからほてり,発汗,hot flush,不眠が出現したが放置していた.3カ月前より,動悸,頻脈が出現し,息切れ,イライラ,冷感,憂うつなどの症状もあり,近くの内科医受診.心電図,ホルター心電図,腹部エコー,胃透視,血液検査などを受けるも異常なしと言われた.新聞でホルモン補充療法(hormone replacement therapy=HRT,Jl)のことを知り,当科初診.
内診,全身所見に異常はなく,子宮頸部,内膜細胞診も異常なし.脊椎椎体骨骨塩量測定(DEXA法)で,軽度の骨粗籟症を認める.血液検査では,総コレステロール値が227mg/dlと軽度に上昇. LH 20.3mIU/ml, FSH 80-2mIU/ml, estradiol (E2)12pg/mlと更年期以降のホルモン状態であり,更年期障害と診断.プレマリン0*625mg/day 30日間,ヒスロン10mg/day 10日間による周期的HRTを開始した.投与開始後1カ月間で,ほてり,発汗,hot flushが消失,2カ月目には,動悸,頻脈,不眠,息切れ,イライラ,憂うつなどの症状も軽快ないし消失した.現在6ヵ月目であるが,大変調子よく,治療を続行中である.
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