Japanese
English
特集 内科治療のスタンダード―集団から個への橋渡し
虚血性心疾患―慢性期の管理
Ischemic Heart Disease, the Management in Chronic Phase
大和 眞史
1
1信州大学第3内科
pp.19-21
発行日 1995年1月15日
Published Date 1995/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901387
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
■症例1 冠動脈硬化症が進行した患者
患者 67歳,男性,農業.
既往歴として8年前に軽い脳梗塞.冠危険因子として高コレステロール血症と高血圧症.5年前に急性下壁心筋梗塞発症.慢性期の左室造影で左室駆出率35%,冠動脈造影では右冠動脈が近位で閉塞し,左主幹部に90%狭窄を認めた.造影後早期に冠動脈バイパス術(CABG:coronaryartery bypass graft)施行.確認造影でグラフトは良好であった.小児用バッファリン1錠,ラシックス20mg,フランドル2錠/Bで経過観察されていた.最近1カ月農作業中の息切れが増強し,ニトログリセリン舌下が有効で,心エコー図によって前壁の壁運動低下を認めた.運動負荷心筋シンチグラムで同部位の虚血所見を認めたため再度冠動脈造影を施行した.左前下行枝へのグラフトの高度狭窄を認めたため,同部位に経皮的冠動脈形成術(PTCA:percutaneous transluminal coronary angio―plasty)を施行した.また,左室造影で左室駆出率40%であったため,レニベース5mg/日を開始した.血清コレステロール256 mg/dl, HDLコレステロール36mg/dl,中性脂肪173mg/dlであったため,メバロチン10mg/日を開始した.4カ月後の確認造影ではPTCAを行ったグラフトに50%狭窄を認めたが,症状や虚血所見を認めず,経過観察とした.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.