今月の主題 不整脈診療の実際
各種領域における不整脈診療の特殊性
虚血性心疾患慢性期における不整脈管理
加藤 敏平
1
1昭和大学藤が丘病院・内科
pp.76-79
発行日 1986年1月10日
Published Date 1986/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220181
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
心筋梗塞の急性期での不整脈は高頻度にみられ,重篤な合併症の1つで予後を左右する.とくに突然死の原因の1つとされ,いかにこの不整脈に対処するかが重要な要素となる.
一方,急性期を無事に脱した心筋梗塞症のその後の管理もまた急性期と同様に不整脈の出現には十分注意が必要であり,とくに心室性不整脈については,突然死につながる危険をはらんでいるので注意が必要である.また不整脈の出現は心機能への面にも悪影響をおよぼすことも多く,十分な管理が必要である.なおこの項のテーマの慢性虚血性心疾患とはいろいろな考え方があると思われるが,慢性期とは一応,退院し外来通院中とした.これは入院中と外来とでは,いろいろな状況,とくに不整脈の出現に対して,その発見する手段,方法がかなり異なり,それに対処する方法も違ってくると思われる.すなわち,外来では24時間モニターや,頻回の心電図記録は不可能であるため,また患者の自覚症状に対する対応のしかたなどについても異なるため,不整脈の発見およびその治療に遅れをとる恐れがある.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.