Generalist and Specialist
今,求められているGeneralistとは
本多 虔夫
1
1横浜市立市民病院
pp.975
発行日 1993年11月15日
Published Date 1993/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900999
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医師を,その持っている医学知識の間口の広さと深さによりgeneralistとspecialistに分けることは可能である.Generalistは多くの疾患についての知識を持ち,それらに対処することができる.Specialistは一部の疾患についてしか知識を持っていないが,それら疾患については深い知識を持っており,その診断治療に特別の能力を発揮することができる.第一線で内科,小児科を中心に日常的な疾患に対応している医師はgeneralistということができるであろうし,その医師が腹部腫瘤をみつけ,患者を外科医に紹介するような場合,その外科医はspecialistということになるであろう.しかしまたその外科医が,腫瘤は特殊な腫瘍であるからそれに詳しい別の外科医に依頼するというような場合には,最初の外科医は,外科医としてはgeneralistであり第2の外科医がspecialistということになる.このようにgeneralistとspecialistというのは相対的なものと言えるであろう.
一般にgeneralistはspecialistよりも低いものとみられがちである.しかし決してそういうことはない.多くの疾患について広い知識を持ち,正しく対処できる医師は貴重な存在である.ただ残念なことにそのような真の意味でのgeneralistは少なく,間口を広げて多くの疾患に対応してはいるが,その対応が必ずしも的確でないgeneralistが少なくないのである.
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